鎌倉の海にはもう何度となく行っているのだが、その日はたまたま暑くて海でアイスが食べたい気分だったので、近くのコンビニでハーゲンダッツのクリスピーサンド(洋風モナカみたいなやつ)を買った。隣のレジに並んでいたヤンキー風なサーファーガールは、別メーカーのあんこ入り和風モナカアイスを買っていた。
海へ着いて腰をおろし、ハーゲンダッツのクリスピーサンドを箱から少しずつ顔を出しながら、ひとくち、ふたくちと食べ進めたちょうどその時、「バッサ」という音とともに、私のハーゲンダッツは見事に手元からなくなっていた。天功のイリュージョンか!?と思うような1秒くらいの出来事である。
最初は何が起きたのかわからなかったが、ハーゲンダッツを持っていた手にかすかな痛みが走った。人差し指から少し血がにじんでいた。あわてて指から出た血を口で吸いながら、ようやく状況が飲み込めた。トンビにやられたのである。
夕日に輝く穏やかな鎌倉の海の白波をじっと眺めながら、この一瞬の出来事を冷静に振り返っていた。トンビは食べ物を持っている人間を狙うとは聞いていたが、まさかハーゲンダッツのクリスピーサンドを狙うとは思わなかった。そして、あのヤンキーのお姉ちゃんも同じようなモナカアイスを食べていたのに、そっちではなく私のハーゲンダッツを狙ったのはなぜだろうとも考えた。トンビは量より質を重視するグルメ志向なのか?
おにぎりやパンなら、主食にもなりそうだが、アイスをトンビが食べてどうするのだろう?と不思議に思う。すぐにとけてしまうし、あんな甘いものを食べておいしいと思うのだろうか?
きっとトンビとしては、人間がおいしそうに食べていたものを獲物だと思い、とりあえず本能で狙ったのだろう。私に何の気配も感じさせず、真上から急降下して私の手元にあるアイスだけを的確に奪い去った正確なハンティング力には、尊敬の念すら覚える。野生の力をまざまざと見せつけられたように思った。
これまで人間が動物や自然に対して繰り返し行ってきた略奪に比べたら、私がトンビに奪われたアイスなどちっぽけなものだし、私をほとんど傷つけずにアイスだけを奪ってくれたトンビには頭が下がる思いだ。
そう、動物や自然は時に容赦のないことをするけれども、
本来は人間よりはるかに優しいものなのだ。
2011年10月2日日曜日
2011年9月29日木曜日
坊主、原発、グランドピアノ
9月22日、門仲天井ホールで行われた河合拓始さんのピアノリサイタルへ行ってきました。河合さんは、現代音楽や即興音楽の自作の演奏を行う他、ダンス・朗読など他ジャンルとの競演もされているアグレッシブな方で、この日は8人の作曲家を取り上げた現代音楽のソロのピアノリサイタルでした。
山手の洋館のサロンコンサートでコラボレーションする、木村裕さんが2006年に作曲した「アイオーン」という曲がこの日、河合さんの生ピアノによって初めて演奏されるということで、私は招待されて聴きに行きました。「アイオーン」とは古代ギリシャ語で始原や日常を越えた大きな時という意味があるそうで、木村さんらしい透明感のある美しい曲でした。
この日取り上げた作曲家は、しばてつさん、高橋悠治さん、木下正道さんなど、ピアノの世界に疎い私にとっては初めて聞く名前ばかりでしたが、その世界ではかなり有名な方だそうです。私は一瞬一瞬目の前に立ち現れる、見えない音符の現代建築の世界に、ただただ圧倒されるばかりでした。
私がイメージしていた「ピアノ」という概念を大きく越えている音が、次から次へと出て来る感じで、私はクラシックピアノを子どもの頃に習っていたけれど、ピアノのことを何も知らなかったんだなとあらためて驚かされ、「ピアノ」という古い縛りから解かれて新しい楽器に出会ったような、自由になった気もしたのです。
この日の河合さんの出で立ちもユニークで、なんとド・ピンクなTシャツ姿でした。河合さんが1点もので作ったオリジナルTシャツなんだそうですが、そこには、「原発とめたい」とのメッセージが書かれていました。
「坊主、原発、グランドピアノ」「坊主、原発、グランドピアノ」
「坊主、原発、グランドピアノ」・・・・・・
これまで交わることのなかった言葉が私の頭をよぎり、
心地良い不協和音が生まれて、ニヤニヤ笑いが止まらない夜でした。
8人の個性豊かな作曲家を自らセレクトして、古い価値観を美しく軽やかに
ぶっ壊すような河合さんの演奏は、何の根拠もないけれど、
確かに原発を止めることができるかもしれない
という気持ちにさせてくれました。
ありがとう!
▼こちらの動画は、河合拓始さんの即興演奏です
山手の洋館のサロンコンサートでコラボレーションする、木村裕さんが2006年に作曲した「アイオーン」という曲がこの日、河合さんの生ピアノによって初めて演奏されるということで、私は招待されて聴きに行きました。「アイオーン」とは古代ギリシャ語で始原や日常を越えた大きな時という意味があるそうで、木村さんらしい透明感のある美しい曲でした。
この日取り上げた作曲家は、しばてつさん、高橋悠治さん、木下正道さんなど、ピアノの世界に疎い私にとっては初めて聞く名前ばかりでしたが、その世界ではかなり有名な方だそうです。私は一瞬一瞬目の前に立ち現れる、見えない音符の現代建築の世界に、ただただ圧倒されるばかりでした。
私がイメージしていた「ピアノ」という概念を大きく越えている音が、次から次へと出て来る感じで、私はクラシックピアノを子どもの頃に習っていたけれど、ピアノのことを何も知らなかったんだなとあらためて驚かされ、「ピアノ」という古い縛りから解かれて新しい楽器に出会ったような、自由になった気もしたのです。
この日の河合さんの出で立ちもユニークで、なんとド・ピンクなTシャツ姿でした。河合さんが1点もので作ったオリジナルTシャツなんだそうですが、そこには、「原発とめたい」とのメッセージが書かれていました。
「坊主、原発、グランドピアノ」「坊主、原発、グランドピアノ」
「坊主、原発、グランドピアノ」・・・・・・
これまで交わることのなかった言葉が私の頭をよぎり、
心地良い不協和音が生まれて、ニヤニヤ笑いが止まらない夜でした。
8人の個性豊かな作曲家を自らセレクトして、古い価値観を美しく軽やかに
ぶっ壊すような河合さんの演奏は、何の根拠もないけれど、
確かに原発を止めることができるかもしれない
という気持ちにさせてくれました。
ありがとう!
▼こちらの動画は、河合拓始さんの即興演奏です
2011年9月20日火曜日
Michi-Kusaサイトが本日9/20オープンしました!
本日Michi-Kusaサイトが本日9/20無事にオープンしました!
Michi-Kusaは、ミチクサ1号(ことのは山房 芦原陽子)、2号(荒澤文香)による横浜のクリエイターユニットが主催するプロジェクトで、カフェイベントなどを企画運営しています。サイトデザインはミチクサ2号こと、うさぎとかめデザイン室の荒澤文香が担当しました。
まだ試運転状態ですが、5月に行われた第1回目のイベントレポートや写真エッセイの「きょうの道草」など、お楽しみページをご用意していますのでぜひお立ち寄りください!今後はこちらでイベント告知などをしていきます。
Michi-Kusaサイトはこちら→ http://michi-kusa.net/
Michi-Kusaは、ミチクサ1号(ことのは山房 芦原陽子)、2号(荒澤文香)による横浜のクリエイターユニットが主催するプロジェクトで、カフェイベントなどを企画運営しています。サイトデザインはミチクサ2号こと、うさぎとかめデザイン室の荒澤文香が担当しました。
まだ試運転状態ですが、5月に行われた第1回目のイベントレポートや写真エッセイの「きょうの道草」など、お楽しみページをご用意していますのでぜひお立ち寄りください!今後はこちらでイベント告知などをしていきます。
Michi-Kusaサイトはこちら→ http://michi-kusa.net/
2011年7月1日金曜日
ポエトリーリーディングYouTubeに公開!
芦原陽子(ことのは山房)のポエトリーリーディングを
映像作家フルタヨウスケのオリジナル映像と共に
ひとつの映像作品としてYouTubeに公開しました。
カフェイベント「Michi-Kusa」でのライブバージョンとは
ひと味違う大人っぽいバージョンの谷川俊太郎の詩
6篇をどうぞお楽しみください!
照明を消して、ヘッドホンで聴くのがオススメです。
音のクオリティ、臨場感がぜんぜん違いますよ。
映像作家フルタヨウスケのオリジナル映像と共に
ひとつの映像作品としてYouTubeに公開しました。
カフェイベント「Michi-Kusa」でのライブバージョンとは
ひと味違う大人っぽいバージョンの谷川俊太郎の詩
6篇をどうぞお楽しみください!
照明を消して、ヘッドホンで聴くのがオススメです。
音のクオリティ、臨場感がぜんぜん違いますよ。
