2011年10月21日金曜日

11/13(日)横浜山手の洋館「ブラフ18番館」のコンサートに出演します!

横浜山手にある洋館のひとつ、関東大震災後に山手町45番地に建てられた外国人住宅「ブラフ18番館」のコンサートに出演することになりました!「ブラフ18番館」は、白い壁にグリーンの窓がかわいらしい木造2階建てで、私にとって憧れの場所でした。


洋館のまわりには木々が生い茂りとても気持ちのよい空間になっています。1階のサロンでは、クラシック音楽をメインに毎週土曜日に無料のサロンコンサートを定期的に開催しているのですが、今回は朗読とピアノ演奏の特別枠ということで、「サロン・ア・ラ・カルト」というタイトルで、11月13日の日曜日の14時からコンサートを行います。

今回初めてコラボレーションするのは、絵画を中心に詩の創作や作曲活動も行っているアーティストの木村裕(ゆたか)さんです。昨年、深川番所で行われた展覧会とライブを観て、美しい色彩と魂を鎮めてくれるような清らかなピアノのメロディに胸を打たれて、ぜひ一緒にライブをやりたいとお願いしました。

演目は、木村さんの生ピアノによる演奏に合わせて、谷川俊太郎の詩6篇と、木村裕さんのオリジナルの詩2篇を私が読み。辞書の中にある詩的な文章を抜粋した作品1篇を、私と木村さんとが交互に朗読する予定です。

今回のために木村さんが即興的に書き下ろしてくださったオリジナル曲にのせて、また新しい感覚で詩が浮かびあがってくる内容になっていますので、どうぞお楽しみに!サロンの会場も素敵なので、ぜひ遊びにいらしてください。

◆ブラフ18番館 サロン ア・ラ・カルト
「大人のための朗読会」~谷川俊太郎の詩と木村裕の詩をピアノにのせて~

開催日時:11月13日(日)14:00~(45分間くらい予定)
会場:ブラフ18番館(横浜市中区山手町16)
出演者:芦原陽子(朗読)、木村裕(ピアノ演奏と朗読)
入場料:無料、入退場自由
座席:全席自由、立ち見も可
交通アクセス:JR石川町駅元町側(南口)改札を出て右方向に進み、最初の角を右折、郵便局前の道を直進し、大丸谷坂を上ると右手にブラフ18番館へ入る階段が見える。(JR石川町駅南口から徒歩5分)
ブラフ18番館へ入る階段


◆当日のプログラム
1.谷川俊太郎の詩6篇:「沈黙」 「魂のいちばんおいしいところ」
「今日」 「二十億光年の孤独」 「生きる」 「帰郷」
木村裕 作曲:二十億光年の孤独
~谷川俊太郎の詩の朗読のために~

2.木村裕の詩:「エデン」
木村裕 作曲:「寂Ⅰ」

3.木村裕の詩:「記憶」
木村裕 作曲:「寂Ⅷ」

4.研究社「新和英中辞典」からの引用による詩:「不在の音楽」
木村裕 作曲:「知らせ」

◆出演者プロフィール

芦原 陽子(Yoko Ashihara)
1975年、横浜に生まれる。コピーライターを経てフリーランスのライターとして活動。朗読ライブは2010年にスタート。谷川俊太郎や夏目漱石の作品をレパートリーに持ち、ピアノやオリジナル映像にのせて朗読している。木村裕の詩を生ピアノの演奏で朗読するのは今回が初めて。

木村 裕(Yutaka Kimura)
1957年、東京に生まれる。柴田南雄に作曲を学ぶ。Bゼミ卒業後、1990年代から現代美術家として活動。かわさきIBM市民文化ギャラリー、ベイスギャラリー(東京)、ギャラリーポラリス(パリ)などで個展。近年は絵画、詩、音楽の共存を目指すさまざまな試みに挑戦している。

▽FUKAGAWA BANSHO GALLERY 木村裕プロフィール
http://gallery.kawaban.net/p/yutaka-kimura.html

▽深川番所で昨年行われた展覧会のようす
http://gallery.kawaban.net/2010/08/blog-post.html

2011年10月2日日曜日

アイツはハーゲンダッツが本当に食べたかったのか?

鎌倉の海にはもう何度となく行っているのだが、その日はたまたま暑くて海でアイスが食べたい気分だったので、近くのコンビニでハーゲンダッツのクリスピーサンド(洋風モナカみたいなやつ)を買った。隣のレジに並んでいたヤンキー風なサーファーガールは、別メーカーのあんこ入り和風モナカアイスを買っていた。

海へ着いて腰をおろし、ハーゲンダッツのクリスピーサンドを箱から少しずつ顔を出しながら、ひとくち、ふたくちと食べ進めたちょうどその時、「バッサ」という音とともに、私のハーゲンダッツは見事に手元からなくなっていた。天功のイリュージョンか!?と思うような1秒くらいの出来事である。

最初は何が起きたのかわからなかったが、ハーゲンダッツを持っていた手にかすかな痛みが走った。人差し指から少し血がにじんでいた。あわてて指から出た血を口で吸いながら、ようやく状況が飲み込めた。トンビにやられたのである。

夕日に輝く穏やかな鎌倉の海の白波をじっと眺めながら、この一瞬の出来事を冷静に振り返っていた。トンビは食べ物を持っている人間を狙うとは聞いていたが、まさかハーゲンダッツのクリスピーサンドを狙うとは思わなかった。そして、あのヤンキーのお姉ちゃんも同じようなモナカアイスを食べていたのに、そっちではなく私のハーゲンダッツを狙ったのはなぜだろうとも考えた。トンビは量より質を重視するグルメ志向なのか?

おにぎりやパンなら、主食にもなりそうだが、アイスをトンビが食べてどうするのだろう?と不思議に思う。すぐにとけてしまうし、あんな甘いものを食べておいしいと思うのだろうか?

きっとトンビとしては、人間がおいしそうに食べていたものを獲物だと思い、とりあえず本能で狙ったのだろう。私に何の気配も感じさせず、真上から急降下して私の手元にあるアイスだけを的確に奪い去った正確なハンティング力には、尊敬の念すら覚える。野生の力をまざまざと見せつけられたように思った。

これまで人間が動物や自然に対して繰り返し行ってきた略奪に比べたら、私がトンビに奪われたアイスなどちっぽけなものだし、私をほとんど傷つけずにアイスだけを奪ってくれたトンビには頭が下がる思いだ。

そう、動物や自然は時に容赦のないことをするけれども、
本来は人間よりはるかに優しいものなのだ。