2016年3月11日金曜日

5年分の私的な3.11覚え書き

2011年3月11日。東日本大震災が起きた日、都内のオフィスで仕事をしていた。今まで感じたことのない強い揺れに同僚と悲鳴を上げながら、机の下にもぐった。窓の外のビルがしなって揺れる様子を不思議に眺めていた。

一番血の気が引いたのが、この尋常ではない揺れにびくともせず、平然と座って仕事を続けている男性社員が何人かいたことだった。その日は、恐怖で何度もトイレに行き一晩オフィスに泊まった。冷えとりがブームだった私は、くつしたの重ね履きをしていたのだが、一夜にして両方のかかとの部分にドカンと大きな穴があいた。

そして私の親友は、なんと震災の日に女の子を産んだ。そして、この年の冬にトントン拍子で結婚が決まり、妹に報告したところ、「震災より驚いた」とメールの返信をもらう。

2012年3月12日。結婚して新居に引っ越してきたばかりだった。がらんとした部屋の中で、山下達郎さんのサンデーソングブックで、「希望という名の光」のアコースティックバージョンを夫と二人でしんみりと聴いたのだった。

2013年3月11日。あまり記憶がない。保育園で子どもたちと戯れていたような気もする。

2014年3月11日は、出産予定日当日。はちきれんばかりのお腹をかかえ、産院に健診に行く途中で律儀にも陣痛が来た。夫に迎えに来てもらい、昼にカツカレーを食べてから自宅へ戻る。その日の夜にタクシーで産院へ向かったが、その夜はまだ出てこず、ただただ陣痛の波にもまれて苦しみもだえていた。夫は夜中じゅう私の腰をさすり励まし続け、翌朝方には疲れて居眠りをしていた。夫が一番頑張った日。

2015年3月11日は、息子の0歳最後の日。翌日の鎌倉行きに備えて早く眠っていたのだろうか? この日のことも、あまり記憶がない。

2016年3月11日は、息子1歳最後の日。ばぁばに付き添ってもらい、小雨が降るなか産後初めての銀ブラをする。私がキャッチコピーを担当した、松屋銀座で開催中のアバラノニマ!とレイチェルオムレットさんの春のコレクション「ドレミファ・ソラ・シャツ」展を観に行く。わが道を行く息子は、有楽町駅や田町駅のホームで、新幹線が間近で走る姿を見て大興奮する。

明日の息子の誕生日に備えて、お弁当のおにぎりの具の鮭を焼き、卵焼きを作り、シュウマイの準備をして寝る。

写真は、私が一目惚れして連れて帰ってきた、レイチェルオムレットさんの器と箸置き。




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