チョコレートをあげる側だった私も、夫のおかげで受け取る側の楽しみを知ってしまったのだ。年に一度のモテモテの日、家族は浮足立つ。今年はなんと息子の分まで入っていた!
毎年手作りチョコレートを作り続けているある女性は、お菓子作りはプロ級の腕前で、ホワイト、抹茶、ストロベリー、ラムレーズンなど何種類ものひとくちチョコレートを作り、オリジナルの美しいラベルで飾ったチョコレートをプレゼントしてくれるのだ。
私が妊娠・授乳中の頃には、お酒なしのものを別に用意してくれ、「そんな心遣いまでしてくれるなんて! 」と感激していたのだが、今年はなんと息子用にミルクたっぷりのチョコレートが用意されていたのだった。
息子は、私たち夫婦が珈琲とともに食べているピーナツチョコレートの包み紙を、いつも憧れの目で見ては、匂いをかいでチョコというものの余韻を味わっていただけで、まだ一度も食べたことがなかった。
チョコレートデビューするなら、手作りチョコがいいだろうということで、息子に大人への階段を一歩のぼらせてみることにした。真面目な顔で、ひとかけらずつ手でつまむと、おちょぼぐちで味わい、鼻をふくらませつつ、未知の味を堪能した様子だった。一日一粒ずつ、という特別なお菓子である。
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