昨年の秋くらいに、大田区の千鳥町にある絵本屋ティール・グリーンinシード ヴィレッジで、私が表紙の絵に一目惚れして買った絵本が、『きょうのごはん』(偕成社)だ。
こんがり焼けたサンマの匂いが、漂ってきそうな加藤休ミさん独特の不思議なリアリティを持った絵がそそられる。ヨネスケの『突撃! 隣の晩ごはん』という番組があったが、それの絵本版という感じで、隣の家から漂ってくるいい匂いにつられて、猫が道先案内人のようになり、読者を誘ってくれるのだ。それぞれの家庭の様子も垣間見ることができておもしろい。
夕飯のテーブルに並ぶのは、サンマやカレーライス、手作りコロッケなど、夕飯の定番ともいえるメニューたち。見ているとお腹がグーとなってしまいそうだ。
1歳11ヵ月の息子は、この絵本が気に入り「きょうのサンマよむー? 」(※正しいタイトルは『きょうのごはん』)と言い、読んでくれとせがむ。
ある時、夕飯の買い物にでかけたら、スーパーに焼いたサンマが一匹売られていてパックに入っていた。それを見つけた息子は、抱っこ紐から手を伸ばし、サンマのパックを取ってドヤ顔で買い物かごに入れたのである。これには参ってしまった。絵本のチカラは恐るべし。
先日はパパの誕生日に、お寿司を買った。息子用にと、ブリを焼いた小さなお寿司を夫がにぎり、はじめて食べたのだが、それがうれしかったらしく、最近はお寿司が出てくるページで、「こうくんも、おすし、たべたねー」と言っている。
絵本の中扉の線画のイラストで描かれた食べ物のページも好きで、自分で一つひとつ指をさしながら、「パン、バーグ、なっとう、にぎり(おにぎり)、どん(うどん)、パッタ(パスタ)、ドッグ(ホットドック)」などと言っている。なぜか「ちゃわんむし、ゆでたまご」はまだ言えない。
この絵本のおかげで、ごはんの名前をたくさん覚えることができた。
最近覚えた息子の言葉の中で傑作だったのは、「トップカード、ちょうだい、ママに! 」である。近くのスーパーのポイントカードを、夫婦でやりとりしていたのを聞いて覚えたのだろう。子どもの前で、うかつなことは言えないなと冷や冷やしている。
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