今日は久しぶりに暖かい冬晴れの一日だった。
駅からの帰り道、ランドセルを背負った下校中の小学生が5人ばかり群がっていた。「あれ、何だろうな? 」などと言って、空のほうを指さして騒いでいた。
その指の先を見ると、真っ青な空に白い雲の基地のようなものが見えた。その基地の割れ目を見つけて「おい、これすげーことになるかもしれないぞ! 」と言って興奮している子もいた。
その雲の基地からは、太く大きな白い龍のような雲が私の家のほうまでずーっと長く続いていたのだった。私はそちらのほうに驚いた。
道行く人に、「あの空を見たかい? 」と聞いて歩きたくなるような、見事な空だった。
私は息子に「龍みたいな雲だね」と話しかけながら、ずっと空を見ながらベビーカーを押していた。
子どもたちが、そんな風に、空のことを気にかけ、想像をふくらませて盛り上がっている姿を見て、私はうれしい気持ちになった。スマホやゲームを手にしている時には見られないであろう、晴れ晴れとした無邪気さがそこにはあったからだ。
そういえば、今日の朝、もうひとついいことがあった。
息子と電車に乗っている時に、坊主頭のちょっとぽっちゃりとした高校生の男の子が、息子のことをふんわりとしたやさしい眼差しで、見てくれたのだ。声をかけるわけでもなく、手を振るわけでもなく、ただやさしく見守ってくれていた。もしかしたら、小さな弟さんでもいるのだろうか?
息子はそのお兄ちゃんの視線には気づかずにいたが、私にはじんわりとその男の子のもつ温かさが伝わり、胸がジンと熱くなった。
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